財務シロウトでもOK!AIで決算書がスラスラ読める魔法の質問術

AI活用

「決算書」と聞くだけで、数字の羅列に頭が痛くなる…。そんな経験はありませんか? 専門用語ばかりで、どこをどう見ればいいのか、さっぱり分からない。 でも、安心してください。生成AIを使えば、まるで優秀な会計の専門家が隣にいるかのように、決算書のポイントをわかりやすく教えてくれるんです。

この記事では、財務が苦手な文系社会人のために、AIを使って決算書を読み解くコツを、中学生にも理解できる言葉で解説します。

そもそも決算書って、なに?会社の「成績表」と「健康診断書」です

AIに質問する前に、まずは決算書の基本だけ、かんたんにおさえておきましょう。 決算書は主に3つの書類から成り立っていて、「財務三表(ざいむさんぴょう)」と呼ばれます。 これは、会社の1年間の活動をまとめた、いわば「成績表」と「健康診断書」のようなものです。

損益計算書(P/L):会社の「成績表」

一年間で会社がどれくらい「儲かったか」がわかります。 お店のレジに1年間で入ってきたお金(売上高)から、商品を仕入れたお金や、社員のお給料(費用)などを引いて、最終的に手元に残ったお金(利益)が書かれています。

貸借対照表(B/S):会社の「健康診断書」

特定の日(決算日)に、会社がどれくらいの財産を持っていて、どれくらいの借金があるかがわかります。 持っている現金や建物(資産)、銀行からの借入金(負債)、そして返さなくていい自分のお金(純資産)のバランスを示しています。このバランスが良いと「経営が安定しているね」となります。

キャッシュ・フロー計算書(C/S):会社の「おこづかい帳」

一年間のお金の流れ(キャッシュ)が具体的にどう動いたか(フロー)を示した書類です。 会社のお金が「本業で増えたのか」「大きな買い物をしたから減ったのか」「銀行から借りて増えたのか」といった、お金の出入りの理由がわかります。

ここがポイント: 決算書は、会社の儲け(成績表)、財産(健康診断書)、お金の流れ(おこづかい帳)を示す3つの書類でできている。

AIに決算書を解説させる「魔法の呪文」

では、いよいよAIの出番です。ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデル(LLM)に、決算書のPDFファイルをアップロードしたり、テキストをコピー&ペーストしたりして、質問してみましょう。 どう聞けば、AIは分かりやすく答えてくれるのでしょうか。コツは「役割」と「目的」をはっきりさせることです。

基本の呪文(プロンプト)

まずは、以下の基本的な「呪文(プロンプト)」を試してみてください。

「あなたはプロの会計士です。添付した決算書の要点を、財務が苦手な中学生にも理解できるように、以下の3つのポイントで解説してください。

  1. この会社は、去年と比べて儲かっていますか?
  2. この会社の財産(健康状態)は、安全と言えますか?
  3. この会社のお金の流れに、何か心配な点はありますか? 専門用語は、身近な例え話を使って説明してください。」

このように「会計士になりきって」「中学生にわかるように」と役割やレベルを指定することで、AIはグッと分かりやすい回答を返してくれます。

知りたいことを深掘りする呪文

さらに、気になる部分をピンポイントで聞くこともできます。

「この決算書の『営業利益』が増えた一番の理由を、スーパーの経営に例えて教えてください。」 「『自己資本比率』とは何ですか?これが高いと、なぜ安全だと言われるのですか?家のローンに例えて説明してください。」

このように具体的な例えをリクエストすると、難しい概念もスッと頭に入ってきます。

ここがポイント: AIには「役割」と「わかりやすさのレベル」を指定し、具体的な例え話をリクエストするのがコツ。

AIは優秀な「翻訳家」、でも鵜呑みは禁物

AIは、決算書の難しい専門用語を、私たちの日常の言葉へと置き換えてくれる「優秀な翻訳家」です。 今までチンプンカンプンだった言葉の意味がわかるだけで、決算書への苦手意識は大きく減るでしょう。 代表的なAIモデルには、OpenAI社の「ChatGPT」、Google社の「Gemini」、X社の「Grok」などがあり、日々進化を続けています。

しかし、とても便利なAIですが、注意点もあります。 それは、AIが時々、もっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」という現象を起こすことです。 特に、決算書のような数字が命の書類では、AIが出した数値を鵜呑みにするのは危険です。

AIの解説を読んだら、必ず元の決算書データと見比べて、数字が合っているか自分の目で確認する「裏取り」を習慣にしましょう。 AIはあくまで賢いアシスタント。最終的な判断は、あなた自身が行うことが大切です。

ここがポイント: AIは専門用語を翻訳してくれる便利な助手だが、数字の裏取りは必ず自分で行う必要がある。

まとめ:AIを相棒に、数字への苦手意識を克服しよう

決算書は、もう文系ビジネスパーソンにとって「見たくない書類」ではありません。 AIという強力な相棒がいれば、数字の裏にあるビジネスの物語を読み解くことができます。 今回紹介した「魔法の呪文」を使って、まずは自社の決算書や、興味のある企業の決算書をAIに解説させてみてください。

きっと、今まで見えなかった世界が見えてくるはずです。

ここがポイント: AIを上手に活用すれば、誰でも決算書を読み解く力を手に入れ、ビジネスの視野を広げることができる。

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