「この商品の良さ、どう伝えれば響くんだろう…」。キャッチコピー作りで、そんな風に頭を抱えた経験はありませんか。言葉一つで、人の心はぐっと動かされます。
この記事では、あなたの言葉をさらに魅力的にする「パワーワード」を、AIの力を借りて見つけ出す方法をご紹介します。むずかしい話は一切なし。AIと一緒に、言葉探しの冒険に出かけましょう。
人の心を動かす「パワーワード」とは？
パワーワードとは、その名の通り「力のある言葉」のことです。聞いた人の心に強く残り、印象をがらりと変えてしまう力を持っています。
料理にたとえるなら、味を決定づける「スパイス」のような存在です。いつものカレーにクミンやコリアンダーを少し加えるだけで、本格的な味わいに変わりますよね。それと同じで、いつもの言葉にパワーワードを足すだけで、文章はぐっと魅力的になるのです。
例えば、「すごく良い商品です」と言うよりも、「3秒で感動。人生が変わる商品です」と言われた方が、なんだか気になりませんか。この「3秒で感動」「人生が変わる」がパワーワードにあたります。このように、相手の感情をゆさぶり、行動をうながす言葉のことを指します。
ここがポイント: パワーワードとは、料理のスパイスのように、文章を格段に魅力的にする力強い言葉のことです。
AIはなぜパワーワードを見つけられるの？
では、どうしてAIはパワーワードを見つけるのが得意なのでしょうか。その秘密は、AIが膨大な量の文章を「学習」している点にあります。
ChatGPTやGemini、Grokといった大規模言語モデル（LLM）は、インターネット上のブログ記事やニュース、物語など、数えきれないほどの文章を読んでいます。それはまるで、世界中の図書館にある本をすべて読破したような状態です。
その中から、「こういう言葉が使われると、人は面白いと感じやすい」「このフレーズの後は、肯定的な反応が多い」といったパターンを、AIは統計的に知っているのです。
たくさんのレシピを分析して、最高においしい組み合わせを見つけ出す料理人のように。AIは、言葉のデータの中から「人の心に響きやすい組み合わせ」をたくみに見つけ出して、私たちに提案してくれます。
ここがポイント: AIは、大量の文章データから「人が心を動かされやすい言葉のパターン」を学んでいるため、パワーワードの発見が得意です。
実践！AIで“響く”言葉を掘り出す3ステップ
それでは、実際にAIを使ってパワーワードを見つける手順を見ていきましょう。今回は、身近なAIであるChatGPTやGeminiに指示を出すことを想定します。
ステップ1：商品の「売り」を伝える
まず、あなたが一番伝えたいこと、つまり商品やサービスの「売り」や特徴をAIに教えます。できるだけ具体的に書くのがコツです。
例：AIへの指示文 「これから発売する、新しいシャンプーのキャッチコピーを考えています。特徴は、天然由来の成分だけで作られていて、髪がサラサラになることです。30代の忙しい女性がターゲットです。」
ステップ2：「パワーワード」の抽出を頼む
次に、その情報をもとに、人の心に響きそうな言葉を抜き出してもらうようにお願いします。
例：AIへの指示文（続き） 「このシャンプーの魅力が伝わるような、パワーワードを10個提案してください。」
するとAIは、「天使の輪」「うるツヤ髪」「時短でごほうび」「がんばらない美容」といった、ターゲットが魅力を感じそうな言葉を提案してくれるでしょう。
ステップ3：言葉を組み合わせて磨き上げる
最後に、AIが提案してくれたパワーワードをヒントに、キャッチコピーを組み立てます。パズルのピースを組み合わせるような感覚です。AIにたたき台を作ってもらうのも良い方法です。
例：AIへの指示文（続き） 「提案してくれたパワーワードを使って、キャッチコピーの案を5つ作ってください。」
このひと手間を加えるだけで、自分一人では思いつかなかったような、新鮮な切り口のキャッチコピーが生まれる可能性があります。
ここがポイント: 「商品の売りを伝える→パワーワードを抜き出してもらう→組み合わせて磨く」の3ステップで、AIを有効活用できます。
AI任せの落とし穴と、上手な付き合い方
とても便利なAIですが、注意点もあります。AIが作った言葉を、そのまま使うのは少し危険がともないます。なぜなら、AIはまだ「文脈」や「ブランドの世界観」を完璧に理解できるわけではないからです。
たとえば、高級感を出したいのに、AIが提案した言葉が安っぽく聞こえてしまうかもしれません。また、2025年現在、AIが生成した文章が、どこか他の文章とそっくりになってしまう可能性もゼロではありません。
大切なのは、AIを「答えをくれる魔法使い」ではなく、「アイデア出しを手伝ってくれる相棒」と考えることです。最終的に言葉を選び、磨き上げるのは、私たち人間の役目です。AIの提案を鵜呑みにせず、自分の感覚を信じて、最後の仕上げを行いましょう。
ここがポイント: AIの提案はあくまでヒント。最後の判断は人間がおこない、自分らしい言葉に仕上げることが大切です。
まとめ：AIを味方に、言葉の表現力を高めよう
キャッチコピー作りにおける、AIを使ったパワーワードの抽出法をご紹介しました。AIは、私たちの創造性を刺激し、新しい視点を与えてくれる強力なパートナーです。
AIにアイデアの壁打ち相手になってもらうことで、言葉選びの時間はぐっと短縮されます。その時間は、約30分間のテレビ番組1本分に相当するかもしれません。
AIという優秀な相棒を上手に活用して、あなたの想いがまっすぐ届く、素敵な言葉を見つけてみてください。
ここがポイント: AIは言葉探しの時間を短縮してくれる優秀な相棒であり、活用することで表現の幅が広がります。
