「新しい企画書、何から手をつければいいんだろう…」。そんな風に、まっ白なページを前に固まってしまった経験はありませんか。実はその悩み、生成AIを使えばあっという間に解決できるかもしれません。
この記事では、企画書の心臓部である「骨組み」の作り方を、AIに手伝ってもらう方法をご紹介します。むずかしい言葉は使いません。AIへの指示例(プロンプト)もそのまま使える形で用意したので、ぜひ試してみてください。
なぜAIは企画書の「骨組み」作りが得意なの?
AIが企画書の骨組みを作るのが得意なのは、たくさんの「お手本」を知っているからです。
ChatGPTやGemini、Grokといった大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるAIは、インターネット上の膨大な文章を読んで学習しています。それはまるで、世界中の優れた料理のレシピを何万件も頭に入れたシェフのようなもの。どんな材料(テーマ)を渡されても、美味しくなる調理法(構成)の基本パターンをすぐに提案してくれます。
例えば「新商品の企画書」とお願いすれば、「目的」「ターゲット」「市場の状況」「具体的な提案」「予算」といった、人を説得するために必要な要素を順序だてて並べてくれるのです。ゼロから考えるより、ずっと早く、そして抜け漏れなくスタートできます。
ここがポイント: AIは優れた企画書の「型」をたくさん知っている、頼れるアシスタントです。

コピペOK!AIへの「指示例」基本テンプレート
AIに質の高い骨組みを作ってもらうには、少しだけコツがいります。それは、あなたが「何をしてほしいのか」を具体的かつ明確に伝えることです。
以下のテンプレートを使えば、誰でも簡単にAIへ指示ができます。[ ]の中身をあなたの企画に合わせて書き換えて、そのままコピー&ペーストで使ってみてください。
▼基本の指示例テンプレート
あなたは一流のビジネスコンサルタントです。 以下の情報をもとに、新しい企画書の「骨組み」を提案してください。
企画の目的
・[例:10代の学生に向けた、新しい文房具を発売したい]
企画の背景
・[例:スマホでの学習が主流だが、手で書くことの価値も見直されている]
主なターゲット
・[例:勉強のやる気を出したい、おしゃれな文房具が好きな中高生]
入れてほしい要素
・商品のコンセプト ・市場のライバルと違う点 ・具体的な販売方法 ・3ヶ月間のスケジュール案 ・おおまかな予算の内訳
出力形式
・上記の「入れてほしい要素」をH3見出しとして使ってください。 ・それぞれの見出しの中に、含めるべき内容を箇条書きで3つずつ挙げてください。
ここがポイント: AIに役割を与え、目的や条件を具体的に伝えると、的確な答えが返ってきます。
もっと便利に!企画書作りがはかどる活用アイデア
骨組み作り以外にも、AIは企画書作成の様々な場面で活躍します。行き詰まった時の「壁打ち相手」として、いくつか試してみましょう。
アイデアがほしい時
なかなか良い企画が思いつかない時は、AIにアイデアのタネをもらいましょう。 「中高生向けの新しい文房具」というテーマで、ユニークな商品のアイデアを10個、箇条書きで出してください。
ターゲットを深く知りたい時
企画を通すには、顧客の気持ちを理解することが大切です。AIに顧客像をえがかせてみましょう。 あなたはマーケティングの専門家です。「勉強のやる気を出したい女子高校生」の人物像(ペルソナ)を、悩みや好きなこと、休日の過ごし方も含めて具体的に描写してください。
プレゼンの練習相手に
企画書が完成したら、発表の練習もAIが手伝ってくれます。厳しい質問を投げかけてもらいましょう。 これから上司に新しい文房具の企画をプレゼンします。あなたはその上司になりきって、この企画に対して考えられる鋭い質問を5つしてください。
ここがポイント: アイデア出しからプレゼン準備まで、AIは企画のあらゆる段階で相談相手になります。

AI企画書の落とし穴と人間の大切な役割
とても便利なAIですが、いくつか注意点もあります。これを理解しておくことが、AIと上手に付き合う秘訣です。
一番大切なのは、AIが作ったものをうのみにしないこと。AIは時々、もっともらしい嘘をつくことがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。例えば、存在しない市場データや他社の事例を事実であるかのように書いてしまうことがあるのです。車の自動運転技術がすごくても、最後は人間がハンドルを握るのと同じ。AIが出した答えは、必ず自分自身で事実かどうかを確認するクセをつけましょう。
また、会社の秘密情報やお客様の個人情報をAIに入力するのは絶対にやめましょう。情報がもれてしまう危険があります。
AIはあくまで骨組みやたたき台を作るアシスタント。そこにあなた自身の経験やアイデア、熱意を注ぎこんで、最終的に企画を完成させるのは人間の大切な役割です。
ここがポイント: AIが出した情報は必ず事実確認をおこない、最終判断は人間がすることが重要です。
まとめ:AIは思考を助ける賢いパートナー
企画書作りは、もう一人でうんうん悩む作業ではありません。AIという賢いパートナーがいれば、面倒な骨組み作りや情報整理はサッと済ませられます。
AIに任せられる部分は上手に任せて、私たちは企画の本当に面白い部分、つまり「新しい価値をどう生み出すか」という創造的な作業にもっと時間を使いましょう。まずはこの記事のテンプレートを使って、AIに話しかけるところから始めてみてください。きっと、仕事が少し楽しくなるはずです。
ここがポイント: AIを上手に活用すれば、人間はより創造的な仕事に集中できます。