これだけは知ろう!AIと著作権・最新ガイドライン

AI活用

「AIでサクッと資料を作りたいけど、著作権って大丈夫?」 「AIに描いてもらったイラスト、SNSに投稿していいのかな?」

ChatGPTやGeminiのような文章を作るAIや、Midjourneyのような絵を描くAIはとても便利ですよね。 でも、その便利さの裏側で「著作権」の問題が気になっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなAIと著作権の気になる関係を、難しい言葉をなるべく使わずに、中学生にも分かるように解説します。 安心してAIを使うための、最新の知識を一緒に学びましょう。

AIはどうやって絵や文章を「学習」するの?

まず、AIがどうやって賢くなるのか、その仕組みをのぞいてみましょう。

AIは、インターネット上にある膨大な文章や画像を「読む」ことで学習します。 これはまるで、世界中の本を全部読んだスーパー優等生が、新しい知識を身につけるようなものです。

例えば、AIに「リンゴの絵を描いて」とお願いすると、AIは過去に学習したたくさんの「リンゴの画像」を思い出します。 そして、それらの特徴を組み合わせて、あなただけのために新しいリンゴの絵を描き出してくれるのです。 文章を作るAI、例えばChatGPT、Gemini、Grokなども同じ仕組みです。たくさんの文章を読んで、「こういう言葉の後には、こんな言葉が続くと自然だな」というパターンを学んでいます。

この「学習」のためにネット上の情報を使うことについては、世界中で色々な議論がされています。

ここがポイント: AIは、ネット上の情報をたくさん勉強して、新しいものを生み出す賢い生徒のような存在。

AIが作ったものは「誰のもの」?著作権のキホン

では、AIが生み出した作品の著作権は、一体誰のものになるのでしょうか。

日本の法律では、著作権は「人が、気持ちや考えを工夫して表現したもの」に与えられます。 料理で例えるなら、ただのレシピ(アイデア)ではなく、実際にシェフが腕をふるって作った一皿(表現)が著作物になるイメージです。

ここが重要なのですが、2025年6月現在の考え方では、AI「だけ」が全自動で作ったものには、著作権は発生しないとされています。 AIは「人」ではないので、その作品は「人が作ったもの」とは認められないのです。

しかし、もしあなたがAIを使うときに、「こんな雰囲気で、このキャラクターはこんな表情にして…」というように、具体的な指示をたくさん出して、AIを「道具」として使いこなした場合は話が別です。 あなたの工夫やアイデアがたくさん詰まっていると認められれば、その生成物にあなたの著作権が発生する可能性があります。

ここがポイント: 人間の「ひと工夫」が加わって初めて、AIが作ったものに著作権が生まれる可能性がある。

「無断学習」はセーフ?日本の法律ルール

「AIがネット上の画像を勝手に勉強するのは、著作権的にOKなの?」 これは、多くの人が疑問に思うことでしょう。

実は、日本の法律(著作権法第30条の4)では、AIが新しい技術を開発したり、学習したりするためにネット上の作品を集めて利用することは、原則として許可されているのです。 これは、日本の技術発展を後押しするための、少し特別なルールです。

ただし、どんな使い方でも許されるわけではありません。 「著作権を持つ人の利益を、不当に傷つける場合」は、このルールの対象外となります。

例えば、プロのイラストレーターが有料で販売している画集のデータを丸ごとAIに学習させて、そっくりな絵柄のAIを公開するようなケースです。 これでは、本来売れるはずだった画集が売れなくなってしまい、作者が大きな損をしてしまいますよね。このような場合は、法律的に問題アリと判断される可能性が高いです.

ここがポイント: 日本ではAIの学習は原則自由。でも、作り手である作者が損をするような使い方は認められない。

安心してAIを使うための3つのチェックリスト

AIと上手に付き合っていくために、私たちが普段からできることがあります。 特に、AIに作ってもらったものをブログやSNSで公開するときは、以下の3つの点を確認するクセをつけましょう。

1.有名な作品に「そっくり」ではないか?

AIが作ったものが、偶然にも有名なキャラクターや会社のロゴ、他のクリエイターの作品にとてもよく似てしまうことがあります。 それに気づかずに公開してしまうと、著作権を侵害したと訴えられてしまうかもしれません。 公開前には、知っている作品に似すぎていないか、一度立ち止まって確認しましょう。

2.サービスの「利用ルール」を読んだか?

AIサービスには、それぞれ利用規約(ルールブック)があります。 そこには、「作ったものを商売に使って良いか(商用利用)」「誰に権利があるか」などが書かれています。 例えば、Adobe社の「Firefly」という画像生成AIは、著作権的に安心な画像だけを学習に使っていることを発表しており、商用利用も可能だとしています。 使うAIのルールを事前に確認しておくのが安心です。

3.これは本当に「自分の作品」と言えるか?

先ほどお話ししたように、ただボタンを押しただけで作られたAI生成物には、あなたの著作権は認められないかもしれません。 もし「これは私が作った作品です」と主張したいのであれば、プロンプト(指示の言葉)を細かく工夫したり、出来上がったものに自分で手を加えたりして、「これは自分が創作した」と胸を張って言えるひと手間を加えることが大切です。

ここがポイント: 公開前に「そっくりさんチェック」「ルール確認」「自分の工夫」の3つを忘れずに。

まとめ:AIはルールを守って使う「かしこい文房具」

AIと著作権をめぐるルールは、まだ世界中で作られている真っ最中です。 これからも新しい法律や判例がどんどん出てくるでしょう。

大切なのは、AIを「なんでも言うことを聞く魔法の杖」ではなく、「とても賢い文房具」のように捉えることです。 作り手であるクリエイターへの敬意を忘れずに、最新の情報にアンテナを張りながら、ルールを守って活用していく。 その姿勢こそが、AI時代を生きる私たちにとって、何よりも重要なスキルなのかもしれません。

ここがポイント: AIは創造性を広げる便利な道具。作り手への敬意と最新ルールを学びながら上手に付き合おう。

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