「AIが作った文章やイラスト、ブログに使って大丈夫?」。そんな疑問を持ったことはありませんか。 AIはとても便利ですが、使い方を間違えると「著作権」という法律に触れてしまう可能性があります。
この記事では、AIと上手に付き合うための著作権と引用のマナーを10個のルールにまとめました。 むずかしい言葉は使いません。中学生になったつもりで、一緒に確認していきましょう。
AIと著作権、なぜ今むずかしい問題になっているの?
AIが文章や画像を作るとき、インターネットにあるたくさんの情報を「学習」しています。 それはまるで、人間が本を読んだり絵を見たりして勉強するのと同じです。
ところが、AIはその学習量がケタ違い。図書館の本を全部一瞬で読み終えるようなものです。 その中には、他の人が一生懸命作った文章やイラスト、つまり「著作物」がたくさん含まれています。
今の日本の法律(著作権法30条の4)では、AIが学習目的で情報を集めることは、原則としてOKとされています。 しかし、AIが作りだしたものが、たまたま誰かの作品にそっくりになってしまう事故が起こるかもしれません。 これが、AIと著作権が「むずかしい問題」と言われる理由です。
ここがポイント: AIはネット上の情報を学習して成長するが、その情報には著作権で保護されたものが含まれているため問題になりやすい。

AI生成物の著作権は誰のもの?基本の「キ」
では、ChatGPTのような文章生成AIや、Midjourneyのような画像生成AIが作った作品の著作権は、一体誰のものになるのでしょうか。
結論から言うと、2025年6月時点では「AIが自動で生みだしたものに、著作権は発生しない」というのが基本的な考え方です。 著作権は、人間の「気持ち」や「考え」が創作的に表現されたものを守るための権利だからです。 ボタンを一度押しただけでAIが全自動で作ったものには、人間の創作的な工夫が入る余地が少ないと判断されます。
ただし、私たちがAIに対して「こんな風にして!」と何度も細かく指示を出し、アイデアを加えて完成させた場合は別です。 その場合、人間がAIを「道具」として使ったと見なされ、作った人に著作権が認められる可能性があります。
ここがポイント: AIが全自動で作ったものに著作権はなく、人間が道具として創造的に使った場合にのみ、作った人に権利が認められる可能性がある。
これだけは守りたい!AI利用の著作権マナー10ヵ条
AIとの付き合い方でトラブルを避けるために、私たちができることは何でしょうか。 ここでは、特に大切な10個のマナーを紹介します。
1. AIの回答を鵜呑みにしない
AIは時々、もっともらしいウソをつくことがあります。特に、情報源やデータの正確さが求められる場面では、必ず元の情報を探して事実確認をしましょう。
2. 生成物に「そっくりさん」がいないか確認する
AIが作った画像や文章が、既存の作品に似ていないかチェックする一手間が大切です。特に商用で利用する場合は、画像検索などを使って似たものがないか確認しましょう。
3. 「AIが作りました」と正直に伝える
ブログ記事やレポートなどでAI生成物を使う場合、そのことを読者に伝えるのが親切です。透明性を高めることで、信頼につながります。
4. 他人の作品を無断でAIに読み込ませない
特定の作家の絵柄を真似させたり、小説を要約させたりするために、著作物をAIにアップロードするのはやめましょう。著作権者の許可なく行うと、権利侵害になる可能性が非常に高いです。
5. 会社のルールをまず確認する
仕事でAIを使う前に、必ず社内のガイドラインを確認しましょう。会社によってはAIの利用が禁止されていたり、使えるツールが決まっていたりします。
6. 商用利用は特に慎重になる
AI生成物を商品のパッケージや広告などに使う「商用利用」は、リスクが高まります。もし著作権侵害が認められた場合、損害賠償額が大きくなる可能性があるため、弁護士など専門家への相談も考えましょう。
7. 引用のルールは人間と同じ
AIが作った文章の中に、他の文献の内容を含めたいときは、人間の文章と同じように「引用」のルールを守りましょう。どこからどこまでが引用か明確にし、出典元を記載するのが基本です。
8. AIの利用規約を読んでおく
ChatGPT、Gemini、Grokなど、各AIサービスには利用規約があります。生成物の所有権や商用利用の可否など、大切なことが書かれているので、一度は目を通しておきましょう。
9. 最新情報を追いかける
AIと著作権に関するルールは、現在世界中で議論されており、今後大きく変わる可能性があります。文化庁の発表など、信頼できる情報源から最新のニュースをチェックする習慣をつけましょう。
10. 迷ったら専門家に相談する
「これって大丈夫かな?」と少しでも不安に思ったら、自分だけで判断せず、著作権に詳しい専門家や弁護士に相談することをおすすめします。
ここがポイント: AI生成物はファクトチェックと類似品チェックを欠かさず、利用ルールを守って透明性のある使い方を心がけることが重要。

まとめ:AIと賢く付き合うための心構え
AIは、私たちの仕事や創作活動を豊かにしてくれる、まるで魔法のような道具です。 しかし、その大きな力には、相応の責任と知識が伴います。
今回紹介した10個のマナーは、特別なことではありません。 インターネットを使うとき、私たちが自然と守っている思いやりやルールと同じです。 AIを「便利な部下」ではなく「創造的なパートナー」として尊重し、お互いに気持ちよく付き合っていくことが、これからの時代に求められています。
ここがポイント: AIを尊重し、著作権ルールを守ることが、AIと共存する未来の第一歩になる。